
福井県 大飯発電所(2025.10.04)
今回はマイネ王さん、ファンでんさんと関西電力さんのご厚意で大飯発電所を見学してきました。東海第二発電所を勘違いして2回見学したことを除けば、今回が原子力発電所見学の記念すべき2巡目のスタート。2011年の震災後の1巡目スタート時はその全てが止まっていたことを考えると、稼働中の発電所はなんと初めて!
行きは早朝
6時前に羽田に着いて、7時半には伊丹に。787は非常に綺麗で快適、USBだけでなくコンセントまでありました!



早朝の大阪行き、今日は飛行機の勝ち
新幹線という手も考えたのですが、今日は目論見通り飛行機の勝ちでした。羽田を6:30に出て、伊丹で7:55のリムジンバスに乗って、大阪駅についのは8:15。このタイミングではのぞみ1号も99号も京都を出て新大阪に向かっているところ、ひかり533号は新大阪に到着しているものの、ここは大阪。数分の差が重要な今朝は、飛行機で正解でした。

バス送迎
いつもならここからレンタカーなんですが、今回は発電所見学ツアーということでバスで送っていただきます。原子力発電所や電力事情についてのお話を伺いながらの道中となりました。関西電力のPR映像はアニメーションによる漫才や落語仕立て。さすが関西です。エルガイアおおいのそばのホテルうみんぴあで想定外の豪華なランチをいただき、いよいよメインメニューです。


稼働中の原子力発電所へ
前回も書きましたが、大飯発電所(2021.09.15)は半島の北西の山の先に位置していて、陸上である東や南からは見えない。というわけで、実際に発電所を見るには海から見るか構内側から見学させてもらうしかなく、今日は貴重な経験となりました。しかも、何度も言いますが、稼働中です!
ただ…、構内の様子は撮影禁止だったため、今回はテキストベースとなります。
原子炉形式 | 出力 | 運転開始日 | 状況 | |
1号機 | 加圧水型軽水炉(PWR) | 117.5万kW | 1979/3/27 | 廃炉(2018/3/1) |
2号機 | 加圧水型軽水炉(PWR) | 117.5万kW | 1979/12/5 | 廃炉(2018/3/1) |
3号機 | 加圧水型軽水炉(PWR) | 118万kW | 1991/12/18 | 稼働中 |
4号機 | 加圧水型軽水炉(PWR) | 118万kW | 1993/2/2 | 稼働中 |
構内見学
率直な感想として、稼働中と聞いて感じるようなドキドキ感はなく、非常に落ち着いていて人気もほとんどありませんでした。建物内に入るわけでもないので特に稼働音もせず、煙が出ているわけでもなく…。週末なので最小限の運転状況のようで、平日はさまざまな作業に従事する方々がもう少しいる、とのことでした。
構内に入ると、中央部に入口側から3,4号機、1,2号機の原子炉格納容器、タービン建屋が並んでいます。これらの建物、変圧器、取水口、防火スペース、免震棟、消防や警備施設、遮断機などを順に案内してもらいました。
発電所のメインとなる原子炉格納容器やタービン建屋内へ立ち入ることはできませんが、配布されたVRゴーグルで壁を通過して内部を見ることができる、おもしろい仕掛けでした。
いろいろな知識
- 原子炉格納容器
- 原子炉の上部には大きな加圧器がある
- 加圧器は下部にある電気ヒーターの熱で圧力を調整している
- 原子炉の周囲には4つの蒸気発生器がある
- 蒸気発生器で1次系と2次系が隔てられている
- 2次系の圧力逃し弁は大気放出となっている
- 原子炉の出力調整の方法は主に2通り
- 制御棒の調整と1次系冷却水内のホウ酸量の調整
- ホウ酸は循環している中で回収される(必要な時に投入する)
- 燃料プール
- 2100体の燃料棒を冷却収納できる
- これは各炉の全てを交換した場合の10回分程度
- ただし通常燃料棒は数年利用でき、検査時に1/3ほどを交換する
- プールは周囲の道路と近い高さとなっていて、緊急の際に水を投入しやすくなっている
- タービン建屋
- 大きな低圧タービンと小さな高圧タービンの2つのタービンが発電機につながっている
- 発電機とタービンはトラブル防止の観点から対応する炉によって色分けされている
- 3号機は青、4号機はピンク
- 1,2号機は白と黄色
- 美浜、高浜も色分けされている
- 発電機は回転数を一定に保つよう運用されていて細かい調整は炉で行う
- 発電機出力電圧は2.4万Vで、これを変圧器で50万Vに昇圧して送電してい
- 取水口
- ゴミやクラゲの侵入を防ぐため、数段階のフィルタが設置されている
- 各炉に向けた海水ポンプは二つ、ゴミが詰まると動作が悪くなる
- 片方をと止めて片方だけの運用も可能
- いずれにしろ、炉の出力は若干落ちる
- 大島半島は昔から水田稲作や漁業が盛んだった
- 発電所の土地はかつては水田
- いまでも農業や漁業は盛んに行われていて発電所の近所には人家も多い
- ラーメン屋も新しくできた!
- 半島内のトンネルの多くは発電所によるもの
- 建設や管理のために作られたが地元住民にも便利に違いないということ
- 有事の際に一定時間内に地元の人が逃げられることが原子力発電所の審査要件
- 赤い色の青戸の大橋も関西電力が作って自治体に寄贈
地域は必ずしも原発マネーで整然としているわけでなはなく、無駄にお金がかかっていそうな綺麗な建物や道路もあれば、生活感が漂っている部分もある感じ。
バスツアーは寄り道して大阪へ
舞鶴港 とれとれセンターに立ち寄って、京丹波パーキングエリアに寄って、大阪駅へ。


スーパーはくとHOT7000系
大阪到着予定は19時。伊丹に戻るには時間が不安だったので、神戸空港経由で羽田へ。せっかくならということで、大阪から三ノ宮まではHOT7000系に乗りました。駅を出てすぐ、8分過ぎ、12分過ぎ、15分過ぎあたりが加速音です。
三ノ宮から神戸空港まではポートライナー
ゆりかもめのような自動運転の新交通システム。鉄道と比べてごつごつ揺れる若干不安定な乗り心地や、あまり速くないスピードですが乗客が少ない夜の時間でも空港線とループ線を合わせて5分おきに運転されているのは便利だなと思います。
羽田へ、そして帰宅
帰りの飛行機は737-800、これ自体もそんなに古いものではありませんが、行きの787の方が快適だったなと思います。予定の数分前にゲートを離れ、10分くらいはやく着陸。これは一つ前のリムジンバスに間に合うかと思ったら…。「ターミナルへはバスでご案内します(涙)」プロペラ機ならいざ知らず、ジェット機、神戸便でこうなるとは。帰りは猛ダッシュでした。
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