原子力発電」カテゴリーアーカイブ

福井県 大飯発電所・高浜発電所(2021.9.15)

今回は隣接する二つの原子力発電所、大飯発電所と高浜発電所を目指します。2011年の東日本大震災で福島の発電所が廃炉を決定した今、訪問していない国内の原子力発電所はこの二つのみ。今回でその全てを回りきることができました!

東京 → 福井

羽田から伊丹まで飛行機で移動し、伊丹からレンタカーで若狭湾へ。

この日の飛行機はエアバスA321、ナローボディ機で比較的小さめの機体ですが、全席に液晶モニタが装備されるなど快適な環境。写真中央に見えるD滑走路から離陸しました。

レンタカーはカローラアクシオ、いわゆる普通のセダンで車体は小さく取り回しがしやすい感じでしたが、あまりに普通すぎてつまらなかった。お金をケチらず車種指定をしてもよかったかな。

大飯発電所

大飯発電所は半島の北西側にあり、南からも東からものぞけない構造になっている。周囲を走り回ったものの半島の先の施設の一部がちらっと見えるだけで、あまり面白みはない。半島に向かって送電線が伸びていることから、電力に関する大きな施設があることがわかる。

以前は発電所に近い位置に「おおいり館」という施設があって、発電所の模型があったり、発電所の一部をのぞくことができたりしたが、今は入れない。発電所の入口の奥に、山を抜けるトンネルが見える。全景を見るには、海側からのぞくしかなさそう。

大飯発電所概要

原子炉形式出力運転開始日状況
1号機加圧水型軽水炉(PWR)117.5万kW1979/3/27廃炉(2018/3/1)
2号機加圧水型軽水炉(PWR)117.5万kW1979/12/5廃炉(2018/3/1)
3号機加圧水型軽水炉(PWR)118万kW1991/12/18稼働中
4号機加圧水型軽水炉(PWR)118万kW1993/2/2稼働中

関西電力所有の大飯発電所は、1,2号機、3,4号機がそれぞれセットになっていて、タービン建屋などが一緒になっている、らしい。

エルガイア おおい

おおいり館は閉鎖中だが、代わりに「エルガイア おおい」という施設が発電所から車で10分ほどの場所にある。大部分は他の原子力発電所周辺の展示館と変わらない。ただ、このエルガイアおおいにはすごいところがある。それは、併設されている原子力運転サポートセンターに設置された大飯発電所と高浜発電所の中央制御室のシミュレーターを見られること。液晶が並んだ制御室と、メーターやランプが並んだ制御室、この二つを眺めるだけでも、ここを訪ねる価値がありそう。

高浜発電所を見る

エルガイア おおいから車で20分ほどのところに高浜発電所がある。半島を北上して赤色のいきれいな橋が見えたらその手前の道を左に曲がると発電所の入口へ。下の写真はそのまま入口を通り過ぎてしばらく進んだところからの景色。この道路を通ると、原子炉建屋のかなり近いところまで近づくことができる。他の発電所ではできない経験だった。

そのまま数キロ先へ進んで堤防の先へ行くと、原子炉建屋が4個全部見える。

多くの原子力発電所は排熱のために外洋に面していますが、高浜発電所は湾内に建設されています。すぐそばまで釣り船が出るなど、とても穏やかな雰囲気でした。

高浜発電所概要

 原子炉形式出力運転開始日状況
1号機加圧水型軽水炉(PWR)82.6万kW1974/11/14定期点検中
2号機加圧水型軽水炉(PWR)82.6万kW1975/11/14定期点検中
3号機加圧水型軽水炉(PWR)87.0万kW1985/1/17運転中
4号機加圧水型軽水炉(PWR)87.0万kW1985/6/5運転中

関西電力所有の高浜発電所は、1,2号機、3,4号機がそれぞれセットになっていて、タービン建屋などが一緒になっている。(大飯発電所と同じ)

但馬空港

高浜発電所を後にして、豊岡駅へ向かう。レンタカーを返却して、但馬空港まで送ってもらいました。少し早めに着いたので周囲を散策。YS-11の展示はなかなか迫力がある。

この空港、保安検査通過後のロビーには自販機すらないので要注意です!

ATR42-600

迫力あるプロペラ機、羽の真横の席でドキドキ。離陸や巡航、着陸時に、プロペラのピッチが変わる様子が撮影できました。短いフライトだったけど楽しかったー。

兵庫 → 東京

伊丹空港経由で羽田へ帰ります。伊丹からは787、快適そのものでした。

茨城県 東海発電所・東海第二発電所(2021.7.19)

今回は日帰りで近場の発電所を見てきました。月曜日は発電所そばの見学施設の休館日。冷静に考えてこれは失敗でした。

常磐線で水戸へ

上野駅から常磐線のひたちで水戸を目指す。117.5kmを1時間14分で走ることになるが、前半の近郊区域は速度を上げてもせいぜい90km/hくらい。これで間に合うのかと不安になったが、後半は120-130km/hで快調に飛ばして予定通り着。水戸でレンタカーを借りて、ちょっと寄り道をしたあと東海村へ。

発電所を内陸側から

どこの発電所でも同じような状況だが、内陸側からは発電所はほとんど見えない。茂った木々を見ながらひたすら道が続く。途中、東海原子力館別館が見えた。ちなみにこの別館の開館に伴ってもともとあった東海原子力館(テラパーク)は予約者限定の施設になった。本日は月曜日でどちらも休館だったが、テラパークからの方が発電所の全体像を掴みやすいらしい。

※写真は停車中に撮影したものです

初期から地元の理解をある程度得られてきたのか、「反対!」のような掲示や展示は特に見られなかった。

発電所を海側から

久慈川を渡って、北の海側から発電所を覗いてみた。排気塔の右に見える建物が東海第二発電所で、奥に見えるくすんだ建物が廃炉処理中の東海発電所。現在は110万KWの発電所が一つということで、送電設備はあまり大掛かりではない感じ。

もう一度久慈川を渡って、発電所北側の砂浜からも撮影。砂浜を300mくらい進んだところでタイヤがスリップして、それ以上進むのを断念。というか、無事に戻れてよかった。

東海発電所・東海第二発電所概要

http://www.japc.co.jp/tokai/index.html

どちらも日本原子力発電株式会社の発電所。東海発電所は日本初の商業原子力発電所という歴史的な施設で、建設、運用から廃炉処理に至るまで、いろんな情報を得るためにも使われている。東海第二発電所の送電先は8割が東京電力、2割が東北電力となっている。

形式出力状況
東海発電所黒鉛減速・炭酸ガス冷却型(GCR)16.6万KW廃炉処理中
東海第二発電所沸騰水型軽水炉(BWR)110万KW停止中

南側には大きな大きな工場が

発電所南側の海岸沿いには、全長1kmを超えるような日立建機やコマツの工場が立ち並ぶ。工場の横を走ってみると、その大きさに驚かされる。

水戸駅はディーゼルカーがたくさん

水戸駅に戻って帰りの特急ときわを待つ。鹿島臨海鉄道やJR水郡線など、ディーゼルカーが複数見られる。ディーゼルカーだけを目的にこの地を訪れて、一日中乗っていたい。

青森県 東通原子力発電所・大間原子力発電所(2020.11.24)

今回は青森県の東通原子力発電所と大間原子力発電所を目指します。2つの発電所だけでなく、青森県にある原子力関連施設も見に行きました。

コロナということもあり、現地ではレンタカー会社と途中で寄ったコンビニの店員さん以外とは一切言葉を交わさない、食事もしないというなかなかの強行旅行でした。もっとも、8時間程度の滞在時間で300km以上も走ることになったのでそんな余裕がなかったのも事実ですが。

羽田→三沢

本州を北上して八戸あたりから東に旋回し、八戸飛行場の横を通って太平洋へ。旋回して三沢空港に着陸します。写真の中央に見えるのは八戸飛行場です。


東北電力 東通原子力発電所

https://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/safety/higashi/index.html

空港からひたすら北上すること60km強、コンビニどころか建物もないような林の中をひた走ります。1時間半ほどでようやく発電所周辺に到着。

まずはスペックから。最終的には東北電力2機、東京電力2機の計4機の原子力発電所が建設される予定でしたが、現在稼働しているのは東北電力の1機のみです。

形式出力運転開始状況
東北電力1号機BWR110万kW2005年12月8日定期検査中
東北電力2号機ABWR138.5万kW計画
東京電力1号機ABWR138.5万kW建設中断中
東京電力2号機ABWR138.5万kW計画

東北電力の発電所の周囲は実際に稼働しているだけあって、有刺鉄線、柵、カメラとかなり厳重。太平洋岸沿いで湾などではないため、横から眺めることはできず、柵の中は木々が茂る林でその先は見えない。変電所付近からかろうじて見えた発電所がこちら。山側からの中央ゲートは「撮影禁止」と書かれていました。撮影しちゃったけど掲載は自粛します。

一方、その北側の東京電力の建設地の警備は比較的軽く、その気になれば中に入れそうな感じです。

詳しい説明があるはずのPR館は今日はお休みです。生垣の雪除けの設置工事中でした。


リサイクル燃料備蓄センター

http://www.rfsco.co.jp/disclosure/visitor_house/index.html

東通から大間を目指すその最中に遭遇。 広い敷地内に保管施設があるようです。他の施設同様、周囲は有刺鉄線とカメラという非常に厳重な警備でした。


本州最北端

大間発電所に行く途中で、本州最北端にちょっとだけ寄り道。気温の低さもさることながら、風が異常に強い。顔の向きに気をつけないと身につけているマスクが飛んでいってしまいそうでした。


J-Power 大間原子力発電所

https://www.jpower.co.jp/bs/nuclear/

未完成の発電所、1機のABWRは建設中断中。93%くらいできているみたい。こちらも海岸線沿い横から覗けなかったので、陸側の道路から撮影。確かにほとんどできている。


日本原燃 原子燃料サイクル施設

六ヶ所原燃PRセンター
https://www.jnfl.co.jp/ja/company/facility/
https://6prc.jp/

原子燃料サイクル施設が1箇所に集まった施設があり、PRセンターからはこれらが一望できます。現在稼働中なのは高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、ウラン濃縮工場、低レベル放射性部室埋設センター、建設中なのが再処理工場とMOX燃料工場です。

PRセンター内の展示は、全体としての情報量はあまり多くないものの、繰り返しの解説と展示で、素人の僕にも十分に理解できる内容でした。

PRセンターの展望スペースから眺める景色には風力発電の風車がものすごく多い。大きいものだけで100近くあるそうで、あちこちで見かける小型のやつも含めると桁違いな感じ。真ん中に見える薄い緑っぽい施設は石油備蓄基地です。


沿道の風景

全国各地の原子力発電所を見てきた中でも、東通ほど周囲に建物がないところはほとんどなかった気がします。原子力関係の施設では多かれ少なかれ周囲の反発があることを考えると、この青森の地に発電所や処理施設がたくさんできるのも納得です。この日、「原子力反対!」みたいな掲示をほとんど見ることはなかったのですが、あちこち走っていてようやく一つ見つけました。

大間に近づくと「交通監視所」なるものが道路沿いにいくつか登場、中では常に人が道路を監視しています。これも地元の反対派かと思ったのですがどうやらその逆で、大間発電所の電源開発(J-POWER)が設置しているものの様子。地元の理解を得るための努力のようです。←違っていたら教えてください!

本日の車はパッソ。白くてシンプルだから、なんだか営業車みたいだ。


三沢空港へ

早めに空港に着いたので、展望デッキから滑走路を眺めます。この滑走路は自衛隊と米軍と共用で、民間機は1日に数便しかありませんが、軍用機はひっきりなしに離発着していました。

民間の空港施設と滑走路等の空港施設の間には重そうなゲートがあって、民間機が出入りするときだけゲートが開きます(真ん中の写真の中央部、青いライトの上にうっすら見えるグレーの橋みたいな細長いやつ)。ゲートが開く場面を見ていましたが、すごくゆっくりで見ていても気づかないくらいの速度です。

島根県 島根原子力発電所(2020.10.19)

日本で初めての国産原子力炉(日立)がある島根原子力発電所に行ってきました。

出雲空港へ着陸する直前の空からは、入り江にある発電所とそこから南東に伸びる送電線の様子がよく見えました。

島根原子力館

発電所までの道のりはそれほど険しくなく、また、川内をはじめとした各地のような反原発の掲示もほとんどなく、順調にたどり着きました。発電所のそばの原子力館は高台の上にあり、北は日本海、南は宍道湖を見渡すことができます。

https://www.energia.co.jp/atom/atom14.html

一般的な原子力関連の展示と津波対策の展示がその多くを占めますが、他の発電(太陽光、風力、火力、水力)との比較を体感できる展示が面白いです。

島根原子力発電所

他の発電所と同じように発電所周辺には立ち入れないのですが、原子力館からその全景を眺めることができます。写真に見える放熱塔は右が1号機(廃炉措置中)、左が2号機(定期検査中)です。そして、対岸からの風景に大きく写っているのが建設中の3号機です。https://www.energia.co.jp/atom_info/shimane/index.html

3号機は建設中ではあるもののその主要設備のほとんどは完成しているとのこと。ただ、安全設備の要件策定の目処が立たずまだ建設中だそうです。

湾の対岸へは原子力館から車で15分ほど。狭い山道の途中の駐車場からの眺めはなかなのもので、発電所周辺以外の眺めも絶景です。

発電所スペック

形式出力稼働開始状況
1号機BWR46.0万KW1974/3/29廃炉処理中(2015/4/30)
2号機BWR82.0万KW1989/2/10定期検査中
3号機ABRW137.3万KW建設中

767-300

今回はJAL、行きも帰りも767-300でした。

北海道 泊発電所(2019.4.23)

今日の目的地は北海道の泊発電所。

羽田から新千歳まではANAの777-300で1時間半ほど。機内ではWi-Fiも使えて、快適なフライトでした。空港でレンタカーを借りて、高速と一般道で約2時間、余市まで高速道路があるのにナビの古いデータに従って小樽から一般道に入ってしまうというアクシデントを除けば非常に順調に到着。

空港から約150km、付近まで行っても発電所が見えない。北側には入口らしきゲートがあるが見えるのは事務所とトンネルのみ。南側の海水浴場の先も崖と行き止まりの道路のみ。

内部の見学で分かったことだが、もともとは崖っぷちに旧道があったが、この旧道に沿って崖を内部に削って用地を確保したようで、陸の横からは内部が見えづらい構造となっている。対岸からはその全景がしっかりと見える。

原子炉は出力57.9万kwの1,2号機(写真の左側の二つ)と91.2万kwの3号機(写真右側のドーム)の計3つ。どちらも加圧水型。

今回は北海道電力さんのご厚意で、外から眺めるだけでなく内部をご案内してもらえることに(事前に予約が必要)。発電所のとなりのとまりん館で受け付けを済ませ、発電所構内まで車で送っていただきつつ、解説していただきました。せっかくいろいろなお話をいただいたので、その時のメモを残しておこうと思います。

  • 施設は意外に鮮やかな配色となっている
    • 原子炉建屋をはじめとして建物の色には意味がある
    • 夕日やメロン、電気や人
  • 燃料も建屋の中に
    • 一年間の運転後、約3か月の定期検査を実施(最後の仕上げは国の検査官)する。このタイミングで1/3ほどの燃料棒を入れ替える。
    • 建屋内にあるの使用済み燃料の貯蔵庫残量は10年分くらい。いっぱいになってしまったら、外部の貯蔵や処理施設を利用する必要が出てくる。
  • 数十万キロワットを安定的に確保できる電力源は今のところ他にない。
    • 一部の水力発電を除いては、発電量に変動が大きい。
  • 常時1500人もの人が働いている(うち500名程度が北海道電力)
  • 安全対策
    • 北電と道と4地域の3者協議でさまざまな安全対策がほどこされる
    • 地域への影響はそれぞれが独自に調査(取水と排水の温度差は7度まで等)
    • 付近の山肌は山火事からの発電所への延焼を防ぐためにコンクリートで覆われている
    • 構内には路線バスみたいなのが走っている。福島の事故対応の際に、構内にある車が邪魔になった。その反省を生かして不必要な車通行無くし、定期的な移動手段を確保している。
    • 現在の主流は「事故がない」ではなく「事故が起きても問題が大きくならない」
      • そのために必要なのは電力と水
  • 電力は送電網と移動発電機
  • 水は海水を利用する
  • 現在は定期検査中
    • 震災の影響を受けて2012年より検査中
  • 運転をしていないからこそのメンテナンスもある
    • 例えば金属の塊であるタービンは、停止状態だと自重でたわんでしまうため、それを防ぐために、エネルギーを使ってゆっくり回したりする
  • 発電所の寿命は40年と決められた
    • 1号機はあと10年もないため、再稼働ができなければ廃炉も視野に入る。今の主流は改良型加圧水型原子炉だが、今後の新規設置の目途は国内ではついていない。
  • 実稼働を経験していない運転員も増えてきており、伊方原発などで経験を積ませてもらっている
  • 福島以後、国の検査基準が厳しくなった。
    • 再稼働に向けては大筋はクリアしているが、細かい要件を調整している段階。

ここには書けないような話も含めて、約2時間をかけてじっくりとお話をいただきました。とまりん館の灘さま、渡辺さま、ありがとうございました。

小樽でレンタカーを返して、札幌駅に寄り道して、新千歳空港へ。帰りはスカイマークの737-800、モニタがなかったり、シートがちょっと簡易的な感じだったりするところはありましたが、搭乗口、機内のアナウンスやサービスは良く、飛行中の音も静かで快適でした。


宮城県 女川原子力発電所(2018.05.27)

2018/5/27に宮城県の女川にある女川原子力発電所を見に行きました。

成田空港へ

葛西付近から成田空港までは高速バスを利用しました。環七を南行して湾岸線にぶつかったところから左折して高速に乗るのですが、ここが大渋滞。どうするのかと思ったら…、交差点を直進して葛西臨海公園駅を一周して反対側から右折で進入、おかげでほとんど待つことなく高速。あっという間の成田空港です。

成田から仙台へ

今回はDHC8-Q400に搭乗。プロペラ機ですが振動も騒音も少なく快適です。成田空港を離陸してから仙台空港着陸までは1時間もかかりません。

仙台から女川へ

仙台空港で借りた今日の車は日産ノートe-power。じゃらんの事前予約でびっくりするくらい安く借りられました。

eペダルの機能をフル活用するとブレーキなしで止まれる、なんだかものすごい違和感だけど、一回慣れたら他の車は運転できないんだろうなと思う。僕は結局慣れなくて、普通の車に近い挙動をするモードで走りました。

女川まで2時間半ほどのドライブでしたが、道や町が規格化されていてとても綺麗、と思いよくよく考えたら、これが震災の爪痕なんだなと気づきました。市街地を外れるとまだ仮設住宅などもありました。

女川原子力発電所とPR館

PR館に到着。思った通りがらがら。展望スペースからも発電所構内をのぞくことがほとんとできず、本当にただの展望スペース。周辺の緑地からはちょっとだけ構内の様子が見られます。

でかい放熱塔の上の方だけをみたのでは何しにきたのかわからないので、対岸からの撮影に挑戦。こっちの方が、なんとなく全体像は捉えやすい。女川原子力発電所の原子炉はBWR型が3基。写真の様子からわかるかなぁ。この時は全基定期点検中。

女川原子力発電所スペック

東北電力所有の原子炉が3機。

形式電気出力運転開始現状
1号機BWR52.4万kW1984/6/1廃炉(2018/12/21)
2号機BWR82.5万kW1995/7/28定期検査中
3号機BWR82.5万kW2002/1/30定期検査中

女川駅

仙台までの帰り道で女川駅に寄り道。石巻線の終点のこの駅は、震災後に当初の200mほど内陸に移設して完成。駅周辺もきれいな舗装で規格化された感じでした。この位置だって海からはそこそこの距離があることを考えると、本当にすごい津波だったんだなと実感します。

帰宅

仙台駅へ到着。新幹線で帰宅します。

静岡県 浜岡原子力発電所(2017.05.11)

現在運転停止中の浜岡原子力発電所。津波対策を含めて、どんな様子なのか見に行こう。

今回は新幹線

東海道新幹線で静岡まで行き、そこからはレンタカーで浜岡原子力発電所を目指した。走り始めるとどこかからアラームが鳴る。しばらく原因が全くわからなかったのだが、助手席においた荷物を人だと思ったらしい。シートベルトをするとと止まった。

そうだ、お茶だ

高速を降りてしばらくすると、景色は一面茶畑に。この風景に出くわすまですっかり忘れていたのだが、今回の目的地はお茶の名産地だった。のどかな風景が続き、川内原発なんかと違ってそばまで行っても反対派や賛成派の看板みたいなものは特にない。

浜岡原子力館と原子力発電所

幹線道路から原子力館や発電所に入ると、至る所に「撮影禁止」の文字が。原子力館の展望台(奥のHのような形の建物の中空の場所)からは浜岡原発の1号機~5号機の全てが見渡せるのですが、そこにも「撮影禁止」があり、さらに「スマホをいじっている方にはお声がけします」との文言も。おまけに、展望台にはそれを見張るだけの警備員。セキュリティ上の問題だとのことでしたが、何かあるのかと勘ぐりたくなるくらいでした。

原子力館は他のPR館などと比べてもかなり広く、食事の施設などもありました。

 

原子炉形式運転開始定格出力現況
1号機沸騰水型軽水炉(BWR-4)Mark-11976年3月17日54万kW廃炉(2009/1/30)
2号機沸騰水型軽水炉(BWR-4)Mark-11978年11月29日84万kW廃炉(2009/1/30)
3号機沸騰水型軽水炉(BWR-5改良標準型)Mark-1改1987年8月28日110万kW定期検査中
4号機沸騰水型軽水炉(BWR-5改良標準型)Mark-1改1993年9月3日113.7万kW定期検査中
5号機改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)2005年1月18日138万kW

御前崎灯台

御前崎灯台を見て、静岡空港に寄って、静岡鉄道を満喫して帰宅です。

 

石川県 志賀原子力発電所(2016.8.10)

羽田から能登空港を経由してレンタカーで志賀原子力発電所へ。能登空港のレンタカーカウンターでかなりまたされてうんざり。

志賀原子力発電所

他の発電所と同じように海沿いに建設されている。比較的そばまで行くことはできるが、柵と塀に拒まれて中身はほとんど見えない。

北陸電力の発電所が2機あります。

形式出力運転開始日備考
1号機沸騰水型軽水炉(BRW)54万kW1993/7/30定期検査中
2号機沸騰水型軽水炉(BRW)135.8万kW2006/3/15定期検査中

能登原子力センター

北陸電力の公式な原子力館はないが、丘の上に能登原子力センターがある。

鹿児島県 川内原子力発電所

羽田から福岡へ。機材がちょっとだけ遅れた上に、向かい風が強いとかで福岡到着がどんどん伸びていきました…。羽田も福岡も天気が良くなかったのですが、雲の上はとても綺麗な風景でした。777-200です。

太宰府天満宮へお参り。参道の賑わいが半端ないです。

天神で所用を済ませて久留米まで。西鉄の5000系。九州最大の私鉄とは思えないくらい汚い車両でした。乗り心地は悪くないです。JR久留米駅は、新幹線の開業もあってか綺麗な造りでした。九州新幹線で一路川内へ!

川内駅から原発への道には、反対派の看板も賛成派の看板も見られ、地元も大変なんだなという感じです。

川内原子力発電所

九州電力の発電所が2機、あります。

形式電気出力運転開始日備考
1号機加圧水型軽水炉(PWR)89万kW1984/7/42020/12/15〜運転再開
2号機加圧水型軽水炉(PWR)89万kW1985/11/282021/1/22〜運転再開

川の反対側には、九州電力の火力発電所である川内発電所があります。

川内原子力発電所展示館

展示館はそれほどのボリュームでもなく、柏崎のように安全対策を強くうたっているわけでもありませんでした。この辺は電力会社の意識の違いなのか、それとも展示館にかけるコストの違いなのか。

レンタカーで山を越えて鹿児島空港に到着。787で羽田を目指します。

愛媛県 松山太陽光発電所・伊方原子力発電所(2013.02.13)

新型の787に乗ろうと、就航している松山へ。
ところが、787に不具合が見つかり運行中止。別な飛行機に。
まあ、せかっくだから見に行こう。

あっという間の松山空港

787の代替機のA320はいつも通り快適。そして羽田を出て約1時間半で松山空港へ。
松山空港に着くと、そこには787が。相次ぐトラブルに続く緊急着陸で運航停止になり、身動きが取れなくなったようです。新しい飛行機って大変なんですね。


松山太陽光発電所①

松山空港から車で10分くらいのところにある発電所。1958年に四国電力で初めて建設された火力発電所が、今はソーラーパネルと運動場、そして公園になっている。
タービンが大きな音で回る火力発電所や、独特の雰囲気を持つ原子量発電所と違い、全く音がしない太陽光発電所はなんだか味気ない。ただただそこにパネルが並んでいるだけ。これで発電できるんだから、エコです。現在の発電能力は2042kW。10年後までにあと2300kWの増設が予定されています。


松山太陽光発電所②

パネルは角度をつけた台座に支えられています。裏のケーブルもとてもシンプル。この空間をもっとうまく使えないかなって思う。隣の公園では、親子連れが楽しそうに遊んでいました。ここから一路、伊方原発へ。今日のヴィッツは新型です。


ちゃんと調べるって大事

松山太陽光発電所から伊方原発までは1時間半くらいの距離。昼過ぎには到着できるかと思っていたら…。この日は「愛媛マラソン」。市内を南北に走る主要幹線が通行止め。う回路を教えてくれるものの、初めての土地でそんなものが役に立つわけもなく。ナビはひたすら通れない道を示す。しょうがないので影響がないと思われる海沿いへ向かい、市街地の南側を抜けて、高速へ。
写真の看板は高速の通行規制の案内。こちらの被害はありませんでした。


伊方原子力発電所①

予定より1時間遅れて、伊方原発に到着。そばにある伊方ビジターハウス(科学館みたいなところ)を見学した後、発電所へ。険しい山道を下ると、原発の入り口。東日本大震災以降、原発に関する議論が熱くなっていることもあってか、入口から原発までにはたくさんの警備員がいました。ちなみに発電所は停止中。


伊方原子力発電所②

湾全体が発電所施設になっていますが、その崖の上では風力発電も行われていました。風力発電は、今や日本のどこに行っても見られる景色となりました。


ここでちょっと情報整理

現存する原子炉の情報を簡単にまとめておく。

 伊方1号機伊方2号機伊方3号機
電気出力56.6万KW56.6万KW89.0万KW
原子炉形式加圧水型軽水炉(PWR)加圧水型軽水炉(PWR)加圧水型軽水炉(PWR)
営業運転開始昭和52年9月昭和57年3月平成5年12月
wikipediaより

船

海賊船みたいな船

帰りは海沿いをひたすら北上。線路と海に囲まれた楽しいドライブでした。途中、長浜町の公園に寄ったときに見つけた船が写真。ワンピースを思い起こさせるような楽しそうな船。
松山空港のそばまで海沿いを北上した後、松山市街でレンタカーを返却。


伊予鉄道

松山の市街地では路面電車(市内線)が発達し、松山城や道後温泉を結んでいる。そしてその周りには郊外線(普通の電車な感じ)。路面電車の運行頻度は高く、結構便利っぽい。


線路の交差点

珍しい路面電車と電車の交差点。架線も交差点部分でクロスしている。郊外線は750Vで運行されているが、市内線は600V。というわけで、この路線だけは郊外線も600Vで運航されている。


松山空港から

帰りの飛行機は767-300。定刻での離陸でしたが、予定より15分も早く羽田に着陸。なかなか面白い機長でした。
というわけで、今回も無事に帰宅。