おでかけ」カテゴリーアーカイブ

大分県 滝上・大岳・八丁原発電所(2023.1.16)

大分県にある八丁原発電所に行ってきました。見学者1名のために、展示館でご説明いただき、実際の2号機の見学までさせていただきました。九州電力の皆さま、ありがとうございました!

2009年に見学に行った福島県の柳津西山地熱発電所が当時の国内最大規模でしたが、柳津西山発電所が2017年に定格出力を下げてからは、ここ八丁原発電所が国内で最大の出力の地熱発電所となっています。(柳津西山地熱発電所見学の記録はこちら)

羽田→大分

羽田も大分もあいにくの天気。西風が強かったようで、飛行機は15分ほど遅れて着陸。787-800は新しくて綺麗で静かでとても快適でした。(正確には半分くらい寝ていて覚えてない)

今日のくるま

価格に惹かれて車種を選ばずコンパクトタイプだけの指定をしたところ、マーチでした。車内は広くないけど1人だし、特筆すべき事項は何もない普通の車でした。高速道路も含めてアップダウンが多い大分の道ではもうちょっとパワーがあってもよかったかも。


滝上発電所

出力:27,500kW
方式:シングルフラッシュ

https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_takigami.html

発電所そのものは九重町大字野上寺床2862-12にありますが、生産井、還元井は周囲数kmの山中に散らばっていて、露出配管で発電所と繋がっています。道路沿い、山中問わず至る所で配管を見ることができました。道路を跨ぐときも地下に隠したりはせず道路を跨いでいるのが特徴的です。

発電所は遠隔監視されているとのことですが、メンテナンス等のためか敷地内に何台か車も見えました。

発電所の入口付近には2つの案内板がありますが、泥だらけだったり色が褪せていたりで、宝探しの様相を呈しています。見学者も来ないんですね。


八丁原発電所

出力:55,000kW x 2
方式:ダブルフラッシュ

https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_hattyoubaru.html

発電所の敷地の一角に建てられた展示館はコロナ禍で1日4回の予約制。訪れた日は平日でこの時間の見学者は自分1人だけ、九州電力の皆さん、ありがとうございました。ホールで映像や模型を使って一通り説明していただいたあと、2号機の実機を見学させていただきました。

構内全体で硫黄の匂いが漂います。噴出する蒸気と熱水には微量の硫黄が含まれているとのことでした。

蒸気井と還元井は2号機のものは現時点でそれぞれ15本ずつあり、発電所構内だけでなく近隣に分布していいます。蒸気井は760m~3000mもの深があり、いずれもキャップロックの下部の地熱貯留層へとつながります。各井戸は発電所ごとに最初から決まって作っているわけではなく、蒸気の出が悪くなると閉鎖するし、必要に応じて新しいものを調査掘削するそうです。圧力が低い還元井は不純物が付着しやすく、機能を果たしづらくなり閉鎖となることが多いそうです。

地熱発電は仕組みそのものはシンプルです。集められた蒸気と熱水は高さ数メートルの円筒の気水分離器で蒸気が分離され、気水分離器を横にしたよりやや短いくらいのサイズのフラッシャーという装置で残された熱水からも蒸気が生成され、その両方が蒸気タービンへと送られます。この2段階の蒸気獲得の方法はダブルフラッシュと呼ばれます。

建屋にある蒸気タービンは毎分3600回転の発電機と繋がっていて、11,000V、60Hzの電気を生み出します。蒸気は温水となり復水器で冷却され還元井へ、生み出された電気は建屋外の変圧器で11万Vへ昇圧され、変電所へ送電されます。建屋内にはタービンと発電機が2セットとタービンブレードの保管庫があります。普段は予備を保管しているようですが、このときはメンテナンスのために長崎の造船所に送られていて不在でした。建屋内では大きく重い機械が回転する音が響いていました。


大岳発電所

出力:13,700kW
方式:シングルフラッシュ

https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_hattyoubaru.html

八丁原発電所から2kmほど山道を走った山中にある発電所です。宿舎や事務所がそばにあり、工事期を除けば滝上発電所、八丁原発電所の監視もここから行っています。なんで大岳発電所等の遠隔監視なんだろうと思っていましたが、人がいる施設があるからなんですね。

こちらでも、近隣には露出の蒸気配管が走っていて、少し離れたところでは井戸の掘削が行われていました。


九重”夢”大吊橋

https://www.yumeooturihashi.com/

九重の観光名物だそうで大人は500円で往復できます。簡単には壊れないと分かってはいるけど、風が吹くと揺れるしなかなかドキドキです。係の方曰く、観光客が多い時の方が揺れるらしいです。この日はとにかく寒かった。紅葉の時はものすごく綺麗な眺めらしいですよ。

一路、東京へ

無事に帰れます。帰りはソラシドエアの737-800、飛行機はがらがらで、見た感じでは搭乗率は半分もなさそうな感じです。そのおかげか、羽田ではかなり遠い駐機場にとまって、バスで移動…。そこら中をぐるぐる回り、ターミナルまで15分くらいかかりました。

福井県 大飯発電所・高浜発電所(2021.9.15)

今回は隣接する二つの原子力発電所、大飯発電所と高浜発電所を目指します。2011年の東日本大震災で福島の発電所が廃炉を決定した今、訪問していない国内の原子力発電所はこの二つのみ。今回でその全てを回りきることができました!

東京 → 福井

羽田から伊丹まで飛行機で移動し、伊丹からレンタカーで若狭湾へ。

この日の飛行機はエアバスA321、ナローボディ機で比較的小さめの機体ですが、全席に液晶モニタが装備されるなど快適な環境。写真中央に見えるD滑走路から離陸しました。

レンタカーはカローラアクシオ、いわゆる普通のセダンで車体は小さく取り回しがしやすい感じでしたが、あまりに普通すぎてつまらなかった。お金をケチらず車種指定をしてもよかったかな。

大飯発電所

大飯発電所は半島の北西側にあり、南からも東からものぞけない構造になっている。周囲を走り回ったものの半島の先の施設の一部がちらっと見えるだけで、あまり面白みはない。半島に向かって送電線が伸びていることから、電力に関する大きな施設があることがわかる。

以前は発電所に近い位置に「おおいり館」という施設があって、発電所の模型があったり、発電所の一部をのぞくことができたりしたが、今は入れない。発電所の入口の奥に、山を抜けるトンネルが見える。全景を見るには、海側からのぞくしかなさそう。

大飯発電所概要

原子炉形式出力運転開始日状況
1号機加圧水型軽水炉(PWR)117.5万kW1979/3/27廃炉(2018/3/1)
2号機加圧水型軽水炉(PWR)117.5万kW1979/12/5廃炉(2018/3/1)
3号機加圧水型軽水炉(PWR)118万kW1991/12/18稼働中
4号機加圧水型軽水炉(PWR)118万kW1993/2/2稼働中

関西電力所有の大飯発電所は、1,2号機、3,4号機がそれぞれセットになっていて、タービン建屋などが一緒になっている、らしい。

エルガイア おおい

おおいり館は閉鎖中だが、代わりに「エルガイア おおい」という施設が発電所から車で10分ほどの場所にある。大部分は他の原子力発電所周辺の展示館と変わらない。ただ、このエルガイアおおいにはすごいところがある。それは、併設されている原子力運転サポートセンターに設置された大飯発電所と高浜発電所の中央制御室のシミュレーターを見られること。液晶が並んだ制御室と、メーターやランプが並んだ制御室、この二つを眺めるだけでも、ここを訪ねる価値がありそう。

高浜発電所を見る

エルガイア おおいから車で20分ほどのところに高浜発電所がある。半島を北上して赤色のいきれいな橋が見えたらその手前の道を左に曲がると発電所の入口へ。下の写真はそのまま入口を通り過ぎてしばらく進んだところからの景色。この道路を通ると、原子炉建屋のかなり近いところまで近づくことができる。他の発電所ではできない経験だった。

そのまま数キロ先へ進んで堤防の先へ行くと、原子炉建屋が4個全部見える。

多くの原子力発電所は排熱のために外洋に面していますが、高浜発電所は湾内に建設されています。すぐそばまで釣り船が出るなど、とても穏やかな雰囲気でした。

高浜発電所概要

 原子炉形式出力運転開始日状況
1号機加圧水型軽水炉(PWR)82.6万kW1974/11/14定期点検中
2号機加圧水型軽水炉(PWR)82.6万kW1975/11/14定期点検中
3号機加圧水型軽水炉(PWR)87.0万kW1985/1/17運転中
4号機加圧水型軽水炉(PWR)87.0万kW1985/6/5運転中

関西電力所有の高浜発電所は、1,2号機、3,4号機がそれぞれセットになっていて、タービン建屋などが一緒になっている。(大飯発電所と同じ)

但馬空港

高浜発電所を後にして、豊岡駅へ向かう。レンタカーを返却して、但馬空港まで送ってもらいました。少し早めに着いたので周囲を散策。YS-11の展示はなかなか迫力がある。

この空港、保安検査通過後のロビーには自販機すらないので要注意です!

ATR42-600

迫力あるプロペラ機、羽の真横の席でドキドキ。離陸や巡航、着陸時に、プロペラのピッチが変わる様子が撮影できました。短いフライトだったけど楽しかったー。

兵庫 → 東京

伊丹空港経由で羽田へ帰ります。伊丹からは787、快適そのものでした。

茨城県 東海発電所・東海第二発電所(2021.7.19)

今回は日帰りで近場の発電所を見てきました。月曜日は発電所そばの見学施設の休館日。冷静に考えてこれは失敗でした。

常磐線で水戸へ

上野駅から常磐線のひたちで水戸を目指す。117.5kmを1時間14分で走ることになるが、前半の近郊区域は速度を上げてもせいぜい90km/hくらい。これで間に合うのかと不安になったが、後半は120-130km/hで快調に飛ばして予定通り着。水戸でレンタカーを借りて、ちょっと寄り道をしたあと東海村へ。

発電所を内陸側から

どこの発電所でも同じような状況だが、内陸側からは発電所はほとんど見えない。茂った木々を見ながらひたすら道が続く。途中、東海原子力館別館が見えた。ちなみにこの別館の開館に伴ってもともとあった東海原子力館(テラパーク)は予約者限定の施設になった。本日は月曜日でどちらも休館だったが、テラパークからの方が発電所の全体像を掴みやすいらしい。

※写真は停車中に撮影したものです

初期から地元の理解をある程度得られてきたのか、「反対!」のような掲示や展示は特に見られなかった。

発電所を海側から

久慈川を渡って、北の海側から発電所を覗いてみた。排気塔の右に見える建物が東海第二発電所で、奥に見えるくすんだ建物が廃炉処理中の東海発電所。現在は110万KWの発電所が一つということで、送電設備はあまり大掛かりではない感じ。

もう一度久慈川を渡って、発電所北側の砂浜からも撮影。砂浜を300mくらい進んだところでタイヤがスリップして、それ以上進むのを断念。というか、無事に戻れてよかった。

東海発電所・東海第二発電所概要

http://www.japc.co.jp/tokai/index.html

どちらも日本原子力発電株式会社の発電所。東海発電所は日本初の商業原子力発電所という歴史的な施設で、建設、運用から廃炉処理に至るまで、いろんな情報を得るためにも使われている。東海第二発電所の送電先は8割が東京電力、2割が東北電力となっている。

形式出力状況
東海発電所黒鉛減速・炭酸ガス冷却型(GCR)16.6万KW廃炉処理中
東海第二発電所沸騰水型軽水炉(BWR)110万KW停止中

南側には大きな大きな工場が

発電所南側の海岸沿いには、全長1kmを超えるような日立建機やコマツの工場が立ち並ぶ。工場の横を走ってみると、その大きさに驚かされる。

水戸駅はディーゼルカーがたくさん

水戸駅に戻って帰りの特急ときわを待つ。鹿島臨海鉄道やJR水郡線など、ディーゼルカーが複数見られる。ディーゼルカーだけを目的にこの地を訪れて、一日中乗っていたい。

青森県 東通原子力発電所・大間原子力発電所(2020.11.24)

今回は青森県の東通原子力発電所と大間原子力発電所を目指します。2つの発電所だけでなく、青森県にある原子力関連施設も見に行きました。

コロナということもあり、現地ではレンタカー会社と途中で寄ったコンビニの店員さん以外とは一切言葉を交わさない、食事もしないというなかなかの強行旅行でした。もっとも、8時間程度の滞在時間で300km以上も走ることになったのでそんな余裕がなかったのも事実ですが。

羽田→三沢

本州を北上して八戸あたりから東に旋回し、八戸飛行場の横を通って太平洋へ。旋回して三沢空港に着陸します。写真の中央に見えるのは八戸飛行場です。


東北電力 東通原子力発電所

https://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/safety/higashi/index.html

空港からひたすら北上すること60km強、コンビニどころか建物もないような林の中をひた走ります。1時間半ほどでようやく発電所周辺に到着。

まずはスペックから。最終的には東北電力2機、東京電力2機の計4機の原子力発電所が建設される予定でしたが、現在稼働しているのは東北電力の1機のみです。

形式出力運転開始状況
東北電力1号機BWR110万kW2005年12月8日定期検査中
東北電力2号機ABWR138.5万kW計画
東京電力1号機ABWR138.5万kW建設中断中
東京電力2号機ABWR138.5万kW計画

東北電力の発電所の周囲は実際に稼働しているだけあって、有刺鉄線、柵、カメラとかなり厳重。太平洋岸沿いで湾などではないため、横から眺めることはできず、柵の中は木々が茂る林でその先は見えない。変電所付近からかろうじて見えた発電所がこちら。山側からの中央ゲートは「撮影禁止」と書かれていました。撮影しちゃったけど掲載は自粛します。

一方、その北側の東京電力の建設地の警備は比較的軽く、その気になれば中に入れそうな感じです。

詳しい説明があるはずのPR館は今日はお休みです。生垣の雪除けの設置工事中でした。


リサイクル燃料備蓄センター

http://www.rfsco.co.jp/disclosure/visitor_house/index.html

東通から大間を目指すその最中に遭遇。 広い敷地内に保管施設があるようです。他の施設同様、周囲は有刺鉄線とカメラという非常に厳重な警備でした。


本州最北端

大間発電所に行く途中で、本州最北端にちょっとだけ寄り道。気温の低さもさることながら、風が異常に強い。顔の向きに気をつけないと身につけているマスクが飛んでいってしまいそうでした。


J-Power 大間原子力発電所

https://www.jpower.co.jp/bs/nuclear/

未完成の発電所、1機のABWRは建設中断中。93%くらいできているみたい。こちらも海岸線沿い横から覗けなかったので、陸側の道路から撮影。確かにほとんどできている。


日本原燃 原子燃料サイクル施設

六ヶ所原燃PRセンター
https://www.jnfl.co.jp/ja/company/facility/
https://6prc.jp/

原子燃料サイクル施設が1箇所に集まった施設があり、PRセンターからはこれらが一望できます。現在稼働中なのは高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、ウラン濃縮工場、低レベル放射性部室埋設センター、建設中なのが再処理工場とMOX燃料工場です。

PRセンター内の展示は、全体としての情報量はあまり多くないものの、繰り返しの解説と展示で、素人の僕にも十分に理解できる内容でした。

PRセンターの展望スペースから眺める景色には風力発電の風車がものすごく多い。大きいものだけで100近くあるそうで、あちこちで見かける小型のやつも含めると桁違いな感じ。真ん中に見える薄い緑っぽい施設は石油備蓄基地です。


沿道の風景

全国各地の原子力発電所を見てきた中でも、東通ほど周囲に建物がないところはほとんどなかった気がします。原子力関係の施設では多かれ少なかれ周囲の反発があることを考えると、この青森の地に発電所や処理施設がたくさんできるのも納得です。この日、「原子力反対!」みたいな掲示をほとんど見ることはなかったのですが、あちこち走っていてようやく一つ見つけました。

大間に近づくと「交通監視所」なるものが道路沿いにいくつか登場、中では常に人が道路を監視しています。これも地元の反対派かと思ったのですがどうやらその逆で、大間発電所の電源開発(J-POWER)が設置しているものの様子。地元の理解を得るための努力のようです。←違っていたら教えてください!

本日の車はパッソ。白くてシンプルだから、なんだか営業車みたいだ。


三沢空港へ

早めに空港に着いたので、展望デッキから滑走路を眺めます。この滑走路は自衛隊と米軍と共用で、民間機は1日に数便しかありませんが、軍用機はひっきりなしに離発着していました。

民間の空港施設と滑走路等の空港施設の間には重そうなゲートがあって、民間機が出入りするときだけゲートが開きます(真ん中の写真の中央部、青いライトの上にうっすら見えるグレーの橋みたいな細長いやつ)。ゲートが開く場面を見ていましたが、すごくゆっくりで見ていても気づかないくらいの速度です。

和歌山 有田太陽光発電所(2019.07.25)

大規模化が進み、今では10万kWクラスの設備も登場している太陽光発電所ですが、大手電力会社系列では比較的大きい有田太陽光発電所を見てきました。

行きは 羽田→伊丹→京都→大阪→和歌山 とかなり寄り道をしました。最近の飛行機は音は静かだしWi-Fiも使えるし快適でした。離陸直前の排気がちょっとだけ臭かった。。。

有田太陽光発電所は関西電力のグループ企業の、大規模太陽光発電所です。

  • 和歌山県有田市
  • 出力29,700kW

比較的新しい施設だからか、そもそも地図上の受容性がないのか、ナビでは登録できませんでした。(隣の製油所や向かいの教習所で検索すればたどりつけます)

陸側はフェンスと木々に囲まれていて、正面ゲート以外からはほとんど内面を見ることができません。

横に回り込むと、広大な敷地にソーラーパネルが敷き詰められている様子が見えます。

河口の反対側に行くと、その全景が見られます。

白浜を回って、 南紀白浜→羽田 と無事帰宅です。

北海道 泊発電所(2019.4.23)

今日の目的地は北海道の泊発電所。

羽田から新千歳まではANAの777-300で1時間半ほど。機内ではWi-Fiも使えて、快適なフライトでした。空港でレンタカーを借りて、高速と一般道で約2時間、余市まで高速道路があるのにナビの古いデータに従って小樽から一般道に入ってしまうというアクシデントを除けば非常に順調に到着。

空港から約150km、付近まで行っても発電所が見えない。北側には入口らしきゲートがあるが見えるのは事務所とトンネルのみ。南側の海水浴場の先も崖と行き止まりの道路のみ。

内部の見学で分かったことだが、もともとは崖っぷちに旧道があったが、この旧道に沿って崖を内部に削って用地を確保したようで、陸の横からは内部が見えづらい構造となっている。対岸からはその全景がしっかりと見える。

原子炉は出力57.9万kwの1,2号機(写真の左側の二つ)と91.2万kwの3号機(写真右側のドーム)の計3つ。どちらも加圧水型。

今回は北海道電力さんのご厚意で、外から眺めるだけでなく内部をご案内してもらえることに(事前に予約が必要)。発電所のとなりのとまりん館で受け付けを済ませ、発電所構内まで車で送っていただきつつ、解説していただきました。せっかくいろいろなお話をいただいたので、その時のメモを残しておこうと思います。

  • 施設は意外に鮮やかな配色となっている
    • 原子炉建屋をはじめとして建物の色には意味がある
    • 夕日やメロン、電気や人
  • 燃料も建屋の中に
    • 一年間の運転後、約3か月の定期検査を実施(最後の仕上げは国の検査官)する。このタイミングで1/3ほどの燃料棒を入れ替える。
    • 建屋内にあるの使用済み燃料の貯蔵庫残量は10年分くらい。いっぱいになってしまったら、外部の貯蔵や処理施設を利用する必要が出てくる。
  • 数十万キロワットを安定的に確保できる電力源は今のところ他にない。
    • 一部の水力発電を除いては、発電量に変動が大きい。
  • 常時1500人もの人が働いている(うち500名程度が北海道電力)
  • 安全対策
    • 北電と道と4地域の3者協議でさまざまな安全対策がほどこされる
    • 地域への影響はそれぞれが独自に調査(取水と排水の温度差は7度まで等)
    • 付近の山肌は山火事からの発電所への延焼を防ぐためにコンクリートで覆われている
    • 構内には路線バスみたいなのが走っている。福島の事故対応の際に、構内にある車が邪魔になった。その反省を生かして不必要な車通行無くし、定期的な移動手段を確保している。
    • 現在の主流は「事故がない」ではなく「事故が起きても問題が大きくならない」
      • そのために必要なのは電力と水
  • 電力は送電網と移動発電機
  • 水は海水を利用する
  • 現在は定期検査中
    • 震災の影響を受けて2012年より検査中
  • 運転をしていないからこそのメンテナンスもある
    • 例えば金属の塊であるタービンは、停止状態だと自重でたわんでしまうため、それを防ぐために、エネルギーを使ってゆっくり回したりする
  • 発電所の寿命は40年と決められた
    • 1号機はあと10年もないため、再稼働ができなければ廃炉も視野に入る。今の主流は改良型加圧水型原子炉だが、今後の新規設置の目途は国内ではついていない。
  • 実稼働を経験していない運転員も増えてきており、伊方原発などで経験を積ませてもらっている
  • 福島以後、国の検査基準が厳しくなった。
    • 再稼働に向けては大筋はクリアしているが、細かい要件を調整している段階。

ここには書けないような話も含めて、約2時間をかけてじっくりとお話をいただきました。とまりん館の灘さま、渡辺さま、ありがとうございました。

小樽でレンタカーを返して、札幌駅に寄り道して、新千歳空港へ。帰りはスカイマークの737-800、モニタがなかったり、シートがちょっと簡易的な感じだったりするところはありましたが、搭乗口、機内のアナウンスやサービスは良く、飛行中の音も静かで快適でした。


宮城県 女川原子力発電所(2018.05.27)

2018/5/27に宮城県の女川にある女川原子力発電所を見に行きました。

成田空港へ

葛西付近から成田空港までは高速バスを利用しました。環七を南行して湾岸線にぶつかったところから左折して高速に乗るのですが、ここが大渋滞。どうするのかと思ったら…、交差点を直進して葛西臨海公園駅を一周して反対側から右折で進入、おかげでほとんど待つことなく高速。あっという間の成田空港です。

成田から仙台へ

今回はDHC8-Q400に搭乗。プロペラ機ですが振動も騒音も少なく快適です。成田空港を離陸してから仙台空港着陸までは1時間もかかりません。

仙台から女川へ

仙台空港で借りた今日の車は日産ノートe-power。じゃらんの事前予約でびっくりするくらい安く借りられました。

eペダルの機能をフル活用するとブレーキなしで止まれる、なんだかものすごい違和感だけど、一回慣れたら他の車は運転できないんだろうなと思う。僕は結局慣れなくて、普通の車に近い挙動をするモードで走りました。

女川まで2時間半ほどのドライブでしたが、道や町が規格化されていてとても綺麗、と思いよくよく考えたら、これが震災の爪痕なんだなと気づきました。市街地を外れるとまだ仮設住宅などもありました。

女川原子力発電所とPR館

PR館に到着。思った通りがらがら。展望スペースからも発電所構内をのぞくことがほとんとできず、本当にただの展望スペース。周辺の緑地からはちょっとだけ構内の様子が見られます。

でかい放熱塔の上の方だけをみたのでは何しにきたのかわからないので、対岸からの撮影に挑戦。こっちの方が、なんとなく全体像は捉えやすい。女川原子力発電所の原子炉はBWR型が3基。写真の様子からわかるかなぁ。この時は全基定期点検中。

女川原子力発電所スペック

東北電力所有の原子炉が3機。

形式電気出力運転開始現状
1号機BWR52.4万kW1984/6/1廃炉(2018/12/21)
2号機BWR82.5万kW1995/7/28定期検査中
3号機BWR82.5万kW2002/1/30定期検査中

女川駅

仙台までの帰り道で女川駅に寄り道。石巻線の終点のこの駅は、震災後に当初の200mほど内陸に移設して完成。駅周辺もきれいな舗装で規格化された感じでした。この位置だって海からはそこそこの距離があることを考えると、本当にすごい津波だったんだなと実感します。

帰宅

仙台駅へ到着。新幹線で帰宅します。

静岡県 浜岡原子力発電所(2017.05.11)

現在運転停止中の浜岡原子力発電所。津波対策を含めて、どんな様子なのか見に行こう。

今回は新幹線

東海道新幹線で静岡まで行き、そこからはレンタカーで浜岡原子力発電所を目指した。走り始めるとどこかからアラームが鳴る。しばらく原因が全くわからなかったのだが、助手席においた荷物を人だと思ったらしい。シートベルトをするとと止まった。

そうだ、お茶だ

高速を降りてしばらくすると、景色は一面茶畑に。この風景に出くわすまですっかり忘れていたのだが、今回の目的地はお茶の名産地だった。のどかな風景が続き、川内原発なんかと違ってそばまで行っても反対派や賛成派の看板みたいなものは特にない。

浜岡原子力館と原子力発電所

幹線道路から原子力館や発電所に入ると、至る所に「撮影禁止」の文字が。原子力館の展望台(奥のHのような形の建物の中空の場所)からは浜岡原発の1号機~5号機の全てが見渡せるのですが、そこにも「撮影禁止」があり、さらに「スマホをいじっている方にはお声がけします」との文言も。おまけに、展望台にはそれを見張るだけの警備員。セキュリティ上の問題だとのことでしたが、何かあるのかと勘ぐりたくなるくらいでした。

原子力館は他のPR館などと比べてもかなり広く、食事の施設などもありました。

 

原子炉形式運転開始定格出力現況
1号機沸騰水型軽水炉(BWR-4)Mark-11976年3月17日54万kW廃炉(2009/1/30)
2号機沸騰水型軽水炉(BWR-4)Mark-11978年11月29日84万kW廃炉(2009/1/30)
3号機沸騰水型軽水炉(BWR-5改良標準型)Mark-1改1987年8月28日110万kW定期検査中
4号機沸騰水型軽水炉(BWR-5改良標準型)Mark-1改1993年9月3日113.7万kW定期検査中
5号機改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)2005年1月18日138万kW

御前崎灯台

御前崎灯台を見て、静岡空港に寄って、静岡鉄道を満喫して帰宅です。

 

北海道新幹線(2017.3.12)

北海道新幹線が函館北斗まで開通して早一年
新幹線で青函トンネルを通ってみよう

千歳経由で函館へ

羽田 → 777-300 → 千歳 → DHC8-Q400 → 函館と飛行機を乗り継いでの移動。

 

千歳では、少し離れたところに政府専用機が見えた。

観光客が異常に多い函館

函館から市内まではリムジンバスだったものの、補助席まで全部広げて満席となったおかげで降りるのが大変。函館の観光ポイントは二つ。

①ロープウェイで展望台へ

街が一望できて、なかなかの見応えです。

②青函連絡船まで続く線路

今は線路がありませんが、かつては青函連絡船までこの線路が続いていました。

数時間の滞在ののちに道南いさりび鉄道で木古内へ移動します。

木古内駅

木古内の駅前には一応道の駅があるものの、それ以外はコンビニすらない。物産展が夕方閉まった後は、自販機が頼りです。

写真の映像では見づらいのですが、在来線のホームは手前の階段のところ、奥の綺麗な建物は新幹線のもの、ずいぶんと大きな格差です。

この駅で必ず運転停車する貨物列車は、そのほとんどが長編成で迫力があります。

はやぶさ


はやぶさで、念願の青函トンネル通過。

トンネル内は湿度が高く窓がくもります!

そのまま一路上野へ。

新潟県 柏崎刈羽原子力発電所・小千谷発電所(2013.10.27)

定期検査中の柏崎刈羽発電所を運転再開の前にのぞきに行こうと計画。ついでにJRの発電所も見てこよう!

あっという間の長岡駅

Maxとき309号、E4系。特に揺れもなく快適。手元のGPSでの計測によると、ほぼ240km/hで走っていた様子。

10時過ぎに長岡駅に到着。駅前をちょっとだけぶらぶらして、レンタカーへ。駅の中の構造は、越後湯沢に似てました。

本日の車は

今日利用したのは駅レンタカー。どんな車かと思っていたら、マツダのデミオ。なんだか内装がちょっと安っぽいかと感じたが、車種の問題というよりレンタカー会社の問題か。

柏崎刈羽原発に向かう前にちょっと寄り道。長岡から高速を使って30分くらい。

日本一海に近い駅

米山大橋を見ようと、そのそばの青海川駅へ。無人駅で、1時間に一本も電車はない。駅舎の反対側のホームは海、確かに日本一海に近いかもしれない。12時台の電車はなかったのだが、貨物列車が通過。

米山大橋

駅のすぐ横、集落にかかる米山大橋。奥には北陸道のコンクリート橋があるが、こちらの方がいい景色。どこかで同じような景色を見たことがあるなと考えていたのですが…。餘部だ。日本海側には、こういう橋が他にもたくさんあるのかもしれない。

発電所遠景

米山大橋を後にして、柏崎刈羽原発を目指す。1.4km×3.2kmという広大な土地に、全部で7基の原子炉がある。そばに行くと警備が厳重だったり撮影禁止だったりで、結構離れたところから撮影。遠くから見ても、大きな発電所だなとわかりました。 この後構内を見学させてもらったのですが、とにかく広い。信号があったり、警察署があったり。構内では5000人近くの人が働いているということです。

サービスホール

柏崎刈羽原子力発電所のすぐ隣にあるサービスホール。展示館となっていて、原子力発電に関するさまざまな技術や安全対策が解説されている。そして、構内見学の出発地点もここで、ここから構内へ車で案内してくれまる。すべて東京電力の広報活動とのことです。

ここでちょっと情報整理

原子炉の情報を簡単にまとめておきます。

 1号機2号機3号機4号機5号機6号機7号機
電気出力110万KW110万KW110万KW110万KW110万KW135.6万KW135.6万KW
原子炉形式沸騰水型軽水炉(BWR)沸騰水型軽水炉(BWR)沸騰水型軽水炉(BWR)沸騰水型軽水炉(BWR)沸騰水型軽水炉(BWR)沸騰水型軽水炉(BWR)沸騰水型軽水炉(BWR)
営業運転開始1985年9月1990年9月1993年8月1994年8月1990年4月1996年11月1997年7月
wikipediaより

小千谷発電所

JR東日本が持つ信濃川発電所の一つ、小千谷発電所。山本山調整池から信濃川へ水を落とす勢いを利用して発電している。5機の水車で最大12万KWの発電を行う。大規模な火力や原子力と比べると発電容量は小さいが、壮観でした。

本山調整池

信濃川の上流から調整池へ水をひき、そこから小千谷発電所へ水を流しています。山本山調整池の仕組みはちょっと難しいが、ここに詳しく解説されている。この発電所と調整池、諸事情により稼働していなかった時期があり、その時にダムの構造が詳しくわかったんですが、その時に撮影した方がいて、ここにありました。

長岡駅 まぼろしの1番線

長岡駅の在来線のホームは1番線から5番線となっているが、2007年の改修以降、1番線は通過線となりました。ちょっと不思議な雰囲気です。
長岡からはMaxとき344号で上野へ。本日の旅行は終了です。