大分県にある八丁原発電所に行ってきました。見学者1名のために、展示館でご説明いただき、実際の2号機の見学までさせていただきました。九州電力の皆さま、ありがとうございました!
2009年に見学に行った福島県の柳津西山地熱発電所が当時の国内最大規模でしたが、柳津西山発電所が2017年に定格出力を下げてからは、ここ八丁原発電所が国内で最大の出力の地熱発電所となっています。(柳津西山地熱発電所見学の記録はこちら)
羽田→大分
羽田も大分もあいにくの天気。西風が強かったようで、飛行機は15分ほど遅れて着陸。787-800は新しくて綺麗で静かでとても快適でした。(正確には半分くらい寝ていて覚えてない)
今日のくるま
価格に惹かれて車種を選ばずコンパクトタイプだけの指定をしたところ、マーチでした。車内は広くないけど1人だし、特筆すべき事項は何もない普通の車でした。高速道路も含めてアップダウンが多い大分の道ではもうちょっとパワーがあってもよかったかも。
滝上発電所
出力:27,500kW
方式:シングルフラッシュ
https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_takigami.html
発電所そのものは九重町大字野上寺床2862-12にありますが、生産井、還元井は周囲数kmの山中に散らばっていて、露出配管で発電所と繋がっています。道路沿い、山中問わず至る所で配管を見ることができました。道路を跨ぐときも地下に隠したりはせず道路を跨いでいるのが特徴的です。
発電所は遠隔監視されているとのことですが、メンテナンス等のためか敷地内に何台か車も見えました。
発電所の入口付近には2つの案内板がありますが、泥だらけだったり色が褪せていたりで、宝探しの様相を呈しています。見学者も来ないんですね。
八丁原発電所
出力:55,000kW x 2
方式:ダブルフラッシュ
https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_hattyoubaru.html
発電所の敷地の一角に建てられた展示館はコロナ禍で1日4回の予約制。訪れた日は平日でこの時間の見学者は自分1人だけ、九州電力の皆さん、ありがとうございました。ホールで映像や模型を使って一通り説明していただいたあと、2号機の実機を見学させていただきました。
構内全体で硫黄の匂いが漂います。噴出する蒸気と熱水には微量の硫黄が含まれているとのことでした。
蒸気井と還元井は2号機のものは現時点でそれぞれ15本ずつあり、発電所構内だけでなく近隣に分布していいます。蒸気井は760m~3000mもの深があり、いずれもキャップロックの下部の地熱貯留層へとつながります。各井戸は発電所ごとに最初から決まって作っているわけではなく、蒸気の出が悪くなると閉鎖するし、必要に応じて新しいものを調査掘削するそうです。圧力が低い還元井は不純物が付着しやすく、機能を果たしづらくなり閉鎖となることが多いそうです。
地熱発電は仕組みそのものはシンプルです。集められた蒸気と熱水は高さ数メートルの円筒の気水分離器で蒸気が分離され、気水分離器を横にしたよりやや短いくらいのサイズのフラッシャーという装置で残された熱水からも蒸気が生成され、その両方が蒸気タービンへと送られます。この2段階の蒸気獲得の方法はダブルフラッシュと呼ばれます。
建屋にある蒸気タービンは毎分3600回転の発電機と繋がっていて、11,000V、60Hzの電気を生み出します。蒸気は温水となり復水器で冷却され還元井へ、生み出された電気は建屋外の変圧器で11万Vへ昇圧され、変電所へ送電されます。建屋内にはタービンと発電機が2セットとタービンブレードの保管庫があります。普段は予備を保管しているようですが、このときはメンテナンスのために長崎の造船所に送られていて不在でした。建屋内では大きく重い機械が回転する音が響いていました。
大岳発電所
出力:13,700kW
方式:シングルフラッシュ
https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_hattyoubaru.html
八丁原発電所から2kmほど山道を走った山中にある発電所です。宿舎や事務所がそばにあり、工事期を除けば滝上発電所、八丁原発電所の監視もここから行っています。なんで大岳発電所等の遠隔監視なんだろうと思っていましたが、人がいる施設があるからなんですね。
こちらでも、近隣には露出の蒸気配管が走っていて、少し離れたところでは井戸の掘削が行われていました。
九重”夢”大吊橋
https://www.yumeooturihashi.com/
九重の観光名物だそうで大人は500円で往復できます。簡単には壊れないと分かってはいるけど、風が吹くと揺れるしなかなかドキドキです。係の方曰く、観光客が多い時の方が揺れるらしいです。この日はとにかく寒かった。紅葉の時はものすごく綺麗な眺めらしいですよ。
一路、東京へ
無事に帰れます。帰りはソラシドエアの737-800、飛行機はがらがらで、見た感じでは搭乗率は半分もなさそうな感じです。そのおかげか、羽田ではかなり遠い駐機場にとまって、バスで移動…。そこら中をぐるぐる回り、ターミナルまで15分くらいかかりました。