BOEING 737-800」カテゴリーアーカイブ

大分県 滝上・大岳・八丁原発電所(2023.1.16)

大分県にある八丁原発電所に行ってきました。見学者1名のために、展示館でご説明いただき、実際の2号機の見学までさせていただきました。九州電力の皆さま、ありがとうございました!

2009年に見学に行った福島県の柳津西山地熱発電所が当時の国内最大規模でしたが、柳津西山発電所が2017年に定格出力を下げてからは、ここ八丁原発電所が国内で最大の出力の地熱発電所となっています。(柳津西山地熱発電所見学の記録はこちら)

羽田→大分

羽田も大分もあいにくの天気。西風が強かったようで、飛行機は15分ほど遅れて着陸。787-800は新しくて綺麗で静かでとても快適でした。(正確には半分くらい寝ていて覚えてない)

今日のくるま

価格に惹かれて車種を選ばずコンパクトタイプだけの指定をしたところ、マーチでした。車内は広くないけど1人だし、特筆すべき事項は何もない普通の車でした。高速道路も含めてアップダウンが多い大分の道ではもうちょっとパワーがあってもよかったかも。


滝上発電所

出力:27,500kW
方式:シングルフラッシュ

https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_takigami.html

発電所そのものは九重町大字野上寺床2862-12にありますが、生産井、還元井は周囲数kmの山中に散らばっていて、露出配管で発電所と繋がっています。道路沿い、山中問わず至る所で配管を見ることができました。道路を跨ぐときも地下に隠したりはせず道路を跨いでいるのが特徴的です。

発電所は遠隔監視されているとのことですが、メンテナンス等のためか敷地内に何台か車も見えました。

発電所の入口付近には2つの案内板がありますが、泥だらけだったり色が褪せていたりで、宝探しの様相を呈しています。見学者も来ないんですね。


八丁原発電所

出力:55,000kW x 2
方式:ダブルフラッシュ

https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_hattyoubaru.html

発電所の敷地の一角に建てられた展示館はコロナ禍で1日4回の予約制。訪れた日は平日でこの時間の見学者は自分1人だけ、九州電力の皆さん、ありがとうございました。ホールで映像や模型を使って一通り説明していただいたあと、2号機の実機を見学させていただきました。

構内全体で硫黄の匂いが漂います。噴出する蒸気と熱水には微量の硫黄が含まれているとのことでした。

蒸気井と還元井は2号機のものは現時点でそれぞれ15本ずつあり、発電所構内だけでなく近隣に分布していいます。蒸気井は760m~3000mもの深があり、いずれもキャップロックの下部の地熱貯留層へとつながります。各井戸は発電所ごとに最初から決まって作っているわけではなく、蒸気の出が悪くなると閉鎖するし、必要に応じて新しいものを調査掘削するそうです。圧力が低い還元井は不純物が付着しやすく、機能を果たしづらくなり閉鎖となることが多いそうです。

地熱発電は仕組みそのものはシンプルです。集められた蒸気と熱水は高さ数メートルの円筒の気水分離器で蒸気が分離され、気水分離器を横にしたよりやや短いくらいのサイズのフラッシャーという装置で残された熱水からも蒸気が生成され、その両方が蒸気タービンへと送られます。この2段階の蒸気獲得の方法はダブルフラッシュと呼ばれます。

建屋にある蒸気タービンは毎分3600回転の発電機と繋がっていて、11,000V、60Hzの電気を生み出します。蒸気は温水となり復水器で冷却され還元井へ、生み出された電気は建屋外の変圧器で11万Vへ昇圧され、変電所へ送電されます。建屋内にはタービンと発電機が2セットとタービンブレードの保管庫があります。普段は予備を保管しているようですが、このときはメンテナンスのために長崎の造船所に送られていて不在でした。建屋内では大きく重い機械が回転する音が響いていました。


大岳発電所

出力:13,700kW
方式:シングルフラッシュ

https://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_hattyoubaru.html

八丁原発電所から2kmほど山道を走った山中にある発電所です。宿舎や事務所がそばにあり、工事期を除けば滝上発電所、八丁原発電所の監視もここから行っています。なんで大岳発電所等の遠隔監視なんだろうと思っていましたが、人がいる施設があるからなんですね。

こちらでも、近隣には露出の蒸気配管が走っていて、少し離れたところでは井戸の掘削が行われていました。


九重”夢”大吊橋

https://www.yumeooturihashi.com/

九重の観光名物だそうで大人は500円で往復できます。簡単には壊れないと分かってはいるけど、風が吹くと揺れるしなかなかドキドキです。係の方曰く、観光客が多い時の方が揺れるらしいです。この日はとにかく寒かった。紅葉の時はものすごく綺麗な眺めらしいですよ。

一路、東京へ

無事に帰れます。帰りはソラシドエアの737-800、飛行機はがらがらで、見た感じでは搭乗率は半分もなさそうな感じです。そのおかげか、羽田ではかなり遠い駐機場にとまって、バスで移動…。そこら中をぐるぐる回り、ターミナルまで15分くらいかかりました。

兵庫県 淡路貴船太陽光発電所(2019.09.24)

仕事で関西に行く予定ができたついでに、淡路島をまわってきました。本当は淡路風力発電所を見に行こうと思ったのですが、あまり近くに寄ることができない上に、風がなくて動いていない。というわけで急遽目標を追加しました。

行きはスカイマークで羽田→神戸へ(写真は羽田で隣の飛行機を写したもの)。

737-800は静かだし綺麗だし快適そのもの。あえて言えば、前回の札幌線でもらえたネスレのコーヒーが有料だったのが残念。

神戸空港から「JR和田岬駅」を経由して淡路島へ。和田岬は朝と夜しか電車がない不思議な路線。工場勤務者の利用がほとんどらしいのですが、どんなところかと見に行ったら、コンビニもあれば住宅もある極めて普通の街。周辺には地下鉄も通っていて、JRだけが交通手段じゃないんだなと思いつつ、鶴見線あたりとは大違いでした。

レンタカーで明石海峡大橋を渡って淡路島へ。淡路貴船太陽光発電所や淡路風力発電所までは、高速を降りてから車で10分ほどと近い。

淡路風力発電所:淡路島北部の西側はがけのようになっていて、その上に2000Kwの風力発電設備が6機設置されています。この日は風が弱く、ほとんどの風車は止まっていました。他の海沿いの発電所のように風車をまとめて配置したというよりは、置けるところに置けるだけ配置した、そんな印象です。

淡路貴船太陽光発電所:神戸空港に着陸する飛行機からもその存在がはっきりわかる広大な太陽光発電所。山の中腹から頂上にかけて、たくさんのエリアに分かれたソーラーパネルの集合体というイメージです。その全てを眺められるところに、事務所兼見学施設があります。パネル総数が13万枚を超えていて出力30MWを誇るこの発電所は、地元の建設会社出資による民間発電所です。予約すれば見学もできるらしい。。。

この日の夜は大阪で打ち合わせ、翌日はインテックス大阪でちょっとだけお仕事をして、大阪南港でフェリーを見送って、関西空港からANA便で羽田へ帰りました。帰りの飛行機も行きと同じ767-800でした。

和歌山 有田太陽光発電所(2019.07.25)

大規模化が進み、今では10万kWクラスの設備も登場している太陽光発電所ですが、大手電力会社系列では比較的大きい有田太陽光発電所を見てきました。

行きは 羽田→伊丹→京都→大阪→和歌山 とかなり寄り道をしました。最近の飛行機は音は静かだしWi-Fiも使えるし快適でした。離陸直前の排気がちょっとだけ臭かった。。。

有田太陽光発電所は関西電力のグループ企業の、大規模太陽光発電所です。

  • 和歌山県有田市
  • 出力29,700kW

比較的新しい施設だからか、そもそも地図上の受容性がないのか、ナビでは登録できませんでした。(隣の製油所や向かいの教習所で検索すればたどりつけます)

陸側はフェンスと木々に囲まれていて、正面ゲート以外からはほとんど内面を見ることができません。

横に回り込むと、広大な敷地にソーラーパネルが敷き詰められている様子が見えます。

河口の反対側に行くと、その全景が見られます。

白浜を回って、 南紀白浜→羽田 と無事帰宅です。

北海道 泊発電所(2019.4.23)

今日の目的地は北海道の泊発電所。

羽田から新千歳まではANAの777-300で1時間半ほど。機内ではWi-Fiも使えて、快適なフライトでした。空港でレンタカーを借りて、高速と一般道で約2時間、余市まで高速道路があるのにナビの古いデータに従って小樽から一般道に入ってしまうというアクシデントを除けば非常に順調に到着。

空港から約150km、付近まで行っても発電所が見えない。北側には入口らしきゲートがあるが見えるのは事務所とトンネルのみ。南側の海水浴場の先も崖と行き止まりの道路のみ。

内部の見学で分かったことだが、もともとは崖っぷちに旧道があったが、この旧道に沿って崖を内部に削って用地を確保したようで、陸の横からは内部が見えづらい構造となっている。対岸からはその全景がしっかりと見える。

原子炉は出力57.9万kwの1,2号機(写真の左側の二つ)と91.2万kwの3号機(写真右側のドーム)の計3つ。どちらも加圧水型。

今回は北海道電力さんのご厚意で、外から眺めるだけでなく内部をご案内してもらえることに(事前に予約が必要)。発電所のとなりのとまりん館で受け付けを済ませ、発電所構内まで車で送っていただきつつ、解説していただきました。せっかくいろいろなお話をいただいたので、その時のメモを残しておこうと思います。

  • 施設は意外に鮮やかな配色となっている
    • 原子炉建屋をはじめとして建物の色には意味がある
    • 夕日やメロン、電気や人
  • 燃料も建屋の中に
    • 一年間の運転後、約3か月の定期検査を実施(最後の仕上げは国の検査官)する。このタイミングで1/3ほどの燃料棒を入れ替える。
    • 建屋内にあるの使用済み燃料の貯蔵庫残量は10年分くらい。いっぱいになってしまったら、外部の貯蔵や処理施設を利用する必要が出てくる。
  • 数十万キロワットを安定的に確保できる電力源は今のところ他にない。
    • 一部の水力発電を除いては、発電量に変動が大きい。
  • 常時1500人もの人が働いている(うち500名程度が北海道電力)
  • 安全対策
    • 北電と道と4地域の3者協議でさまざまな安全対策がほどこされる
    • 地域への影響はそれぞれが独自に調査(取水と排水の温度差は7度まで等)
    • 付近の山肌は山火事からの発電所への延焼を防ぐためにコンクリートで覆われている
    • 構内には路線バスみたいなのが走っている。福島の事故対応の際に、構内にある車が邪魔になった。その反省を生かして不必要な車通行無くし、定期的な移動手段を確保している。
    • 現在の主流は「事故がない」ではなく「事故が起きても問題が大きくならない」
      • そのために必要なのは電力と水
  • 電力は送電網と移動発電機
  • 水は海水を利用する
  • 現在は定期検査中
    • 震災の影響を受けて2012年より検査中
  • 運転をしていないからこそのメンテナンスもある
    • 例えば金属の塊であるタービンは、停止状態だと自重でたわんでしまうため、それを防ぐために、エネルギーを使ってゆっくり回したりする
  • 発電所の寿命は40年と決められた
    • 1号機はあと10年もないため、再稼働ができなければ廃炉も視野に入る。今の主流は改良型加圧水型原子炉だが、今後の新規設置の目途は国内ではついていない。
  • 実稼働を経験していない運転員も増えてきており、伊方原発などで経験を積ませてもらっている
  • 福島以後、国の検査基準が厳しくなった。
    • 再稼働に向けては大筋はクリアしているが、細かい要件を調整している段階。

ここには書けないような話も含めて、約2時間をかけてじっくりとお話をいただきました。とまりん館の灘さま、渡辺さま、ありがとうございました。

小樽でレンタカーを返して、札幌駅に寄り道して、新千歳空港へ。帰りはスカイマークの737-800、モニタがなかったり、シートがちょっと簡易的な感じだったりするところはありましたが、搭乗口、機内のアナウンスやサービスは良く、飛行中の音も静かで快適でした。