
山口県 上関原子力発電所(2025.06.04)
今までは、建設済み、または建設中の発電所を見てきました。東通あたりの2号機は計画段階、みたいな発電所もありましたがその隣には1号機があったわけで。今回見に行こうと思った中国電力の上関原子力発電所は、まだ計画段階。つまり、発電所原型はほとんどなく、正直なところ、何を見に行けばいいかわからない状態の中で航空チケットを取り、レンタカーを予約するわけです。発電所を見に行けるわけではないので、前置きの情報が多くなります。
上関原子力発電所
1980年台に始まった誘致活動が進み、2001年に国の電源開発基本計画の一つとなり、工事がスタートしました。が、2011年の福島の状況を受けて一旦建設がストップしている状態です。
形式 | 出力 | 状況 | |
1号機 | 改良型沸騰水型軽水炉ABWR | 137.3万kW | 計画中(運転開始未定) |
2号機 | 改良型沸騰水型軽水炉ABWR | 137.3万kW | 計画中(運転開始未定) |
中国電力のサイトに、計画の詳細が記載されています。
- 発電所の設備概要 https://www.energia.co.jp/atom/kami_kensetsu2_haichi.html
上関中間貯蔵施設計画
すごく雑な素人の理解で言うと、原子力発電所を作ろうと決めた段階から、地元自治体にはたくさんの補助金が流れるようになります。各発電所の周辺は不自然なくらいに施設が綺麗だったり、無駄と思えるくらいに道路が4車線で整備されていたりするのもそのためです。
ところが建設の先行きが不透明になると、この補助金の雲行きも怪しくなります。まあ、発電で稼ぐ見通しが立たなければそりゃそうですよね。自治体が補助金を当てにした運営をする度合いが高い場合には困ったことになるわけで…。上関ではその大安として、中間貯蔵施設も作る計画ができるようなら補助金を上乗せできるんじゃない?ってなったわけです。日本全体で見ると、原子力発電所の建設よりもそこででたゴミをどうするか?の方が遥かに大きな課題といえますから。原子力発電所を多く稼働させている関西電力なんかではその課題の度合いもまた大きく、中国電力と協力してここに作りたいって話になるんだと思います。
- 原子力情報資料室のサイトが詳しいです https://cnic.jp/50401
実際に行ってみる!
羽田から岩国空港へ
いつも通りの羽田経由で岩国空港へ。途中、岡山空港の真上を通過しました。岩国基地は米軍基地と繋がっていて、着陸間近から飛行機を降りるまでは機密保持のため撮影禁止。と言いつつ窓からは見えるわけで、多数の戦闘機や偵察機、給油設備やアメリカっぽいトラックなど、やっぱり米軍って規模が違うなーということを体感します。GoogleMapである程度基地の様子は見られます。空から見えるテントの中に、航空機が格納されています。



米軍と繋がった滑走路と岩国空港の敷地にはゲートがあって、旅客機が出入りする時だけ開くのは、新千歳空港と同じ感じでした。
大星山展望台を経由して
今回は「建設予定」の発電所なので、実際に発電所が見られるわけではなく、また、中国電力の案内サイトの通り長島の建設予定地周辺には長島側からはアプローチできないため、実際に見られる部分はほとんどありません。というわけなので、できるだけ上空から色々眺められないかなと思い、近くの展望台から空を眺めることにしました。写真左側の島の奥の方が建設予定地(つまり見えない)だと思われます。




この展望台、道中の山道は「室津半島スカイライン」というかっこいい名前がついていますが、なかなかの山道。その様子を一部、映像でご紹介します。

岩国から来て国道188号線、「室津半島スカイライン」の看板を左折するところから始まります。
展望台でしばしの休憩ののちに下る
上関町 長島
原子力発電所の建設には賛成派と反対派でいろいろな立場があると思いますがその議論は置いておいて、訪れてみた印象としては地元の反対運動は他所と比べると少ないんだなという印象です。計画から時間が経っていて、それほど計画が進んでいないということもあるのでしょうか。


柳井発電所
上関町からの帰り道にある柳井発電所と柳井発電所エネルギアランドにお邪魔しました。その記録は別記事に記載します。
岩国空港から羽田へ
午前中にあまりゆっくりできなかった岩国空港を散策します。「撮影禁止」などと言われていましたが、空港内に、米軍基地とは反対側の少し入り組んだところではありますが展望台はありました。100円の入場料をけちったために、入口からの撮影となっています。



帰りも行きと同じ737-800、ほぼ定刻の出発で予定より20分早く羽田に到着。リムジンバスの座席購入が機内WiFiを経由したインターネットからできるようになっていました。
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